No.12 O脚に多いパターンと、根本的な問題とは?
歳をとるとともにつきまとうO脚ですが、O脚というのは、名前の通りで脚の形がO型になることを言います。
このO脚には構造的になっているものと、機能的な影響でなっているものがあります。
構造的になっているものは、いわゆる軟骨がすり減っていたり、骨のトゲトゲができたり、変形が伴っているため、一般的には変形性膝関節症と呼ばれる病気となります。
構造的に変化がない場合のO脚は、見かけ上のO脚のため、トレーニングで改善することが可能です。
構造的に傷んできている場合でも、多くのケースは身体の問題も抱えていますので、トレーニングをすることで、O脚や痛みの緩和が期待できます。
しかし変形は治すことはできません。
(軟骨のすり減りや靭帯の緩みなど)
O脚で悩んでいる方は、その見た目の問題と痛みの問題を抱えている方が多いのではないでしょうか。
今回はよく経験することの多いO脚のパターンについて解説していきます。
まず、O脚とは、大腿骨と下腿骨(脛骨)の向きによって、膝が外向きになっている状態のことを言います。
日本人はO脚の方が多く、外国人の方がX脚が多いと言われています。
このうち、よく経験するO脚のパターンは、大きく分けて2つあります。
1つ目は、大腿骨が外にねじれが大きいパターンです。この場合は、大腿骨を内側に戻すための筋肉を鍛えていく必要があります。
しかし、この大腿骨は、骨盤の受け皿とともに、股関節の動きを担っていますので、股関節の動きが悪くなっていることになります。
その為、そもそもの土台である骨盤が崩れていることがほとんどです。
そして、その多くは、骨盤が過度に前傾してしまってケースで、頭が前に出た猫背、反り腰パターンです。
人の身体は、一部分がねじれを引き起こすと、他の骨も、そのねじれを連鎖的に波及してしまいます。
そして、そのねじれをどこかの部分で調整してバランスを取り合います。
先ほどのパターンを紐解きますと、片側の骨盤前傾するねじれを、大腿骨を外に向けるねじれを起こすことで調整を取り合っています。
そのため、骨盤の位置を戻してあげないと、大腿骨のねじれは直らない可能性が高いです。
なので、内ももの筋肉を鍛えていても、そもそもの土台が崩れていては、効果的なトレーニングになりません。
こういうケースは骨盤を後傾させる筋肉のトレーニングを行い、その上で、内転筋を鍛えていくことが有効です。
2つ目は下腿骨から外側にねじれが強いパターンです。この場合は、下腿骨を内側に戻す筋肉を鍛える必要があります。
しかし、この場合も下腿骨のつけ根には足首があり、足部の傾きによって骨の向く方向が変わってしまいます。
なので、土台にある足部を正しい位置に修正しなければ、下腿骨を内側に戻す筋肉をトレーニングしても治らない可能性が高いです。
足首のことを足関節と呼びますが、この関節は、上下、左右、内外にねじる動きができます。
この中で知っておいて頂きたいことは、骨の連鎖として、外にねじれると下腿骨は外にたおれてしまいます。
すなわち、土台が傾いてしまっているということです。
このケースでは、足部の土台を内向きに戻すための筋肉をトレーニングした上で、下腿骨を内側に戻す筋肉を鍛えると有効です。
人間は足という小さな骨が集合した上に、下肢、体幹などの体重がかかっているため、足では小さな骨のズレが大きなズレへとつながります。
またアーチが下がってしまっていて、骨の傾きに影響している場合では、足底板で調整することで姿勢や動きが変わります。
足部は非常に複雑なため、安易に安価で足底板を購入して使用したりすると、それを機に姿勢が悪くなったり、膝の痛みが出てきてしまう可能性もあります。
今回は、O脚の中で多いパターンについて解説しました。もちろん程度は人それぞれ異なりますが、思いあたる方も多くないでしょうか?
O脚を治すためには、骨の土台となる骨盤や足部が大切であり、土台が崩れているままでは、効果的なトレーニングにつながらない可能性が高くなります。