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No.15 身体が柔らかければいいのか?本当に必要な柔らかさとは

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身体が柔らかいと怪我をしにくいということは、一度は聞いたことがあることだと思います。

 

 

本当に関節が柔らかいだけで良いのでしょうか?

 

 

今回は、本当に必要な柔らかさとは、どういったものなのかを考えていきたいと思います。

 

 

まず、柔軟性がある・ないというものは、医療現場などでは可動域(動きの幅)を測定して硬いか、柔らかいかを判断しています。

 

 

例えば、膝の関節では大腿骨と脛骨を指標に角度を測定して判断しています。

 

 

このように、それぞれの関節にはチェックするための指標があり、それを元に関節が硬いか柔らかいかを判断しています。

 

 

しかし、各関節の可動域の広い・狭いはみれますが、実際の動きでは、複合した要素が求められるため、それが動作場面で動かせるかは分かりません。

 

 

柔軟性を考える上で必要な視点として、他動的(人に動かされて動く範囲)な可動域とともに、自分で動かせる可動範囲を把握していくことが大切になってきます。

 

 

コレをトレーニングに置き換えると、例えば、スタティックストレッチ(持続的に伸ばす)ばかり行っていても、他動的な可動範囲は広がりますが、自分で動かせる範囲が増えるか否かは分かりません。

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むしろ、自分で動かせていなかったために硬くなっていた可能性もあります。

 

 

なので、本当に必要な可動域とは、自分で動かせる可動範囲だということです。

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しかし、その為には、そもそも他動的な可動域がないと、自分で動かせる可動範囲もありませんので、他動的な可動域がありきにはなります。

 

 

この自分で動かせる可動範囲を考える上で、知っておきたい視点としては、姿勢によって求められる要素が変わるということです。

 

 

例えば、上向きに寝転んだ状態で手を挙げることと、四つ這いで手を挙げる動きでは、同じ手を挙げる動きでも意味合いが違います。

 

 

寝転んだ状態では、簡単に手は挙がりますが、四つ這いでは挙げる幅が狭くなる場合があります。

 

 

これは四つ這いでは、重力に抗して手を挙げる運動を行っており、腹筋や肩甲骨の筋肉が働く必要があり、それらが弱くなっていると手が挙がりにくくなってしまいます。

 

 

このように、姿勢が変われば求められる身体の要素が変わり、同じ手を挙げる動きでも腕だけの問題ではなくなってきます。

 

 

さらに、立った姿勢で手を挙げる場合はどうでしょうか?

 

 

身体の全ての部分から影響を受ける姿勢ですよね!足、骨盤、背骨、頭の位置など。これら全て動きに影響を及ぼします。

 

 

よって、本当に必要な柔らかさとは、単なる可動域が広いだけでなく、それぞれの求められる姿勢において自分で動かせる可動域があることが大切となってきます。

 

 

それができなければ、実際の動きの場面では動かせる範囲が狭くなり、硬い動きになってしまいます。

 

 

まとめとしては、身体が柔らかいとは、各関節の可動範囲が広いことを指します。

 

 

ただし、単に他動的な可動範囲が広いだけではなく、自分で動かせる可動範囲が広いことで、動きの幅や自由度が広がります。

 

 

また、自分で動かせる可動範囲は、姿勢が変わることで求められる要素が変わりますので、必要な場面で動く可動範囲を高めていく必要があります。

 

 

皆さんは、身体を柔らかくしたい目的は何ですか?

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それは、楽に動けるようになることや、動きの幅を広げたり、自由度を高めることではないでしょうか?

 

 

もし、身体の柔らかさだけを競うスポーツがあれば、単に伸ばすだけを行えば良いですが、動きを変える為には、それだけでは足りません。

 

 

そのような視点で、一度ご自分の身体の柔らかさを考えてみて下さい。

 

 

きっとレーニングや運動の視点が変わると思います。

No.14 身体が硬い人と柔らかい人の違い

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身体が硬い人、柔らかい人がいると思いますが、一体、何が違うのでしょうか。

 

 

また何をすると筋肉は柔らかくなるのでしょうか。

 

 

硬さがあれば"ストレッチ"と思う方も多いと思いますが、ストレッチをしても柔らかくならなかった経験はありませんか?

 

 

そのような方に是非オススメする内容です!

 

 

今回は、関節が柔らかい人と硬い人の特徴と改善方法のポイントについて述べていきたいと思います。

 

 

まず、関節が柔らかい人ですが、そもそも生まれつき関節が柔らかい人がいます。

 

 

それは、肘や膝を伸ばした時に、反り返るぐらい柔らい人がいてますが、これはラキシティーと呼ばれたりもします。

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正常以上に可動範囲を持ち、その柔らかさから、関節が不安定になりやすく、怪我にもつながりやすいこともあります。

 

 

逆に柔らかさがあるが故に、高度な柔軟性求められるスポーツや運動では有利かもしれません。

 

 

臨床的には、関節の不安定性を補うように筋肉が硬くなっているケースに遭遇する印象です。

 

 

また、他動的(純粋に動く範囲)な可動範囲は良いですが、自動的な可動範囲(自分で動かせる範囲)は狭いように感じます。

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このケースは、関節を構成する靭帯や関節包など、組織そのものが柔らかくなっていることで、正常以上に可動範囲が生まれています。

 

 

次に硬い人の特徴を説明していきます。

まず、筋肉が伸び縮みするためには、筋肉が滑走できる必要があります。

 

 

筋肉が縮まっている状態、または張っている状態で時間が経つと筋繊維は絡み合ってしまいます。

 

 

そうすると、ストレッチでは筋肉は伸びにくくなり、絡み合っている状態で過度なストレッチをすると、つなぎ目に負担がかかり、筋肉が傷む可能性もあります。

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また、筋肉どおしで動きが悪い場合もあり、筋肉の塊それぞれがバラバラに動ける必要があります。

 

 

このような場合は、筋肉の滑走性が悪いため柔軟性が低くなっていると考えられます。

 

 

そのため、柔軟性を高めるためには、ストレッチの前に筋肉をほぐすことが必要となります。

 

 

セルフで行うのであれば、筋膜リリースのツールを用いて硬さがある部分をほぐすと良いでしょう!

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また、シンプルに筋肉が縮まっていて、筋肉自体が短くなっているケースもあります。

 

 

一般的に身体が硬い人というと、このような状態をイメージするのではないでしょうか。

 

 

ここでポイントになるのは、ストレッチの時間です!

 

 

この筋短縮というのは、筋肉の長さ自体が短くなっているため、簡単には改善してくれないのです。

 

 

その為、ストレッチの時間を分単位で、長めに時間をかけて行っていく必要があります。

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しかし、先程も説明したように、硬い筋肉を過度にストレッチをしてしまうと筋肉を傷める可能性があります。

 

 

硬いからといってグイグイ伸ばそうとする方もいてますが、それは危険です。

 

 

筋肉は、軽く伸張感がある程度で十分伸ばされています。

 

逆に伸びる感触がない場合は、筋肉が固まっていて、"ほぐす"ことから行わないといけないかもしれません。

 

 

その他にも、柔軟性に影響を及ぼすものとして、皮膚や、皮下組織の硬さなども影響を受けていることがあります。

 

 

まとめとして、身体が過度に柔らかい人は、元々から関節が柔らかい人であり、利点と欠点が考えられます。

 

 

また、身体が硬い人は、筋肉の滑走性が悪かったり、筋肉自体が縮まっていることがあります。

 

 

その場合は、ストレッチをしても伸張感がなかったり、短い時間では改善することが難しいことがあります。

 

 

そのような時に、硬さがとれないからといってグイグイ伸ばすことは、筋肉を傷めてしまう危険性があります。

 

 

身体が硬くて悩んでいる方は、筋肉をほぐすことと、ゆっくりと長めのストレッチをしていってみてはいかがでしょうか?

No.13 疲れが溜まりやすいところは黄色信号?

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身体の中で、よく疲れが溜まりやすいところや筋肉が張っているところはありませんか?

 

 

そのような部分は、よく使ってしまっているからなのですが、それが続くと腱や付着部に負担がかかり痛みが生じてきてしまうことがあります。

 

 

例えば、骨盤が前に傾くと股関節は外転位(開いた状態)になってしまうことが多いのですが、その場合、腰の筋肉や太ももの外側の筋肉に負担がかかってしまいます。

 

 

酷くなると負担がかかっている筋肉の張りだけでなく、その筋肉が付着しているところや関節に炎症が起こってきてしまいます。

 

 

炎症が起こってしまうと、生活の中ではなるべく患部に負担のかからない方法を検討したり、運動の負荷を落として、炎症の改善を待ちつつ、身体の機能が落ちないように運動をしていくことが大切です。

 

 

炎症がひどい場合には、注射や薬物療法なども使用して患部の改善を優先的に行なっていくこととなります。

 

 

運動では、痛みを改善するために必要なこととしては、まず痛みが起こっている部位と程度を把握した上で、なぜそこに負担がかかっているのか?の視点を持ち必要な運動を段階的に行なっていくこととなります。

 

 

それらは、一つの問題とは限らず、多方向から影響していることがあり、それらの中で問題の優先順位を立てて運動を行なっていくことになります。

 

 

また、正しい運動を行なっていると、身体の一部分が良くなると、他の部分にも良い影響をもたらします。

 

 

身体の問題を解決するのは、テスト問題を解くことと同じで、解き方が間違っていれば答えは出ないですし、答えは間違ってしまいます。

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問題の意味を把握した上で、その問題の解き方を選択していくことが必要になります。

 

 

今の身体にとって、足し算が必要なのか?引き算が必要なのか?

 

 

炎症があれば、引き算が必要になりますよね?それは、生活の方法を工夫したり、今までと同じ量を動かないことであったり、人それぞれ生活が違うためコレという答えはありませんが、そういった視点で身体を考えることが大切です。

 

 

症状の状態が炎症かどうかが分からない方は、痛みがあれば2〜3日程度、なるべく安静にしてみて下さい。

 

 

炎症による痛みや、筋膜性の痛みであれば軽減してくるはずです。もし痛みがあれば、まずは痛みを感じない範囲で生活していくことが大切です。

 

 

逆に安静にしていても痛みが変わらない場合は、早めに病院へ受診して下さい。

 

 

そして安静にして、痛みが軽減してきた場合、次の2つの視点を持つようにしてあげて欲しいと思います。

 

 

一つは、安静にしたことで、炎症はおさまってきましたが、痛みが起こった原因は解決されていないことです。

 

 

痛みが出てきたのは、それ相応の身体に問題があったり、生活習慣に問題があったからですよね。

 

 

二つ目が非常に重要なことです。それは、一気に元の生活に戻ってしまわないことです。

 

 

炎症を引き起こして、活動量を落として生活していた場合、炎症を引き起こす前よりも身体の状態は落ちていることが殆どです。

 

 

そのため、一気に活動量を戻すと、以前よりも酷い症状が出ることもあります。ここが要注意のポイントです。

 

 

簡単に説明すると、元々の体力が50%として、生活で身体に負担がかかるダメージが60%であった場合、10%上回った分だけ身体はダメージを負いますよね?

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安静にして、体力が40%に落ちた状態で60%のダメージが身体にかかる場合、以前よりも身体にかかるダメージの量は増えてしまっていますよね?

 

 

この場合、60%に耐えられる身体を作らないと、また繰り返しますし、身体の状態が落ちているままで、元々の生活に戻すと、以前よりも酷い症状が起こりうることも考えられます。

 

 

今回は、疲れが溜まりやすい部分や、筋肉が張っているところは、よく使いやすい部分となっていて、それが続くと炎症につながることをお伝えしました。

 

 

炎症の考え方としては、患部を安静にしながら炎症を改善することに重きにおき、症状が軽減してきた時に、2つのポイントを押さえておいて欲しいと思います。

 

※ここでの安静の意味は患部に負担がかからない範囲で動くことを指します。

 

 

それは、一気に元々の生活レベルに戻すのではなく、①身体を元々の生活レベルに耐えうる状態を作り、②段階的に活動量を戻していく視点が重要となります。

 

 

なぜ、疲れやすいのか?なぜ筋肉が張るのか?そのような視点でからだを考えていくことが大切です。

 

No.12 O脚に多いパターンと、根本的な問題とは?

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歳をとるとともにつきまとうO脚ですが、O脚というのは、名前の通りで脚の形がO型になることを言います。

 

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このO脚には構造的になっているものと、機能的な影響でなっているものがあります。

 


構造的になっているものは、いわゆる軟骨がすり減っていたり、骨のトゲトゲができたり、変形が伴っているため、一般的には変形性膝関節症と呼ばれる病気となります。

 


構造的に変化がない場合のO脚は、見かけ上のO脚のため、レーニングで改善することが可能です。

 

 

構造的に傷んできている場合でも、多くのケースは身体の問題も抱えていますので、トレーニングをすることで、O脚や痛みの緩和が期待できます。

 

 

しかし変形は治すことはできません。

(軟骨のすり減りや靭帯の緩みなど)

 

 

O脚で悩んでいる方は、その見た目の問題と痛みの問題を抱えている方が多いのではないでしょうか。

 

 

今回はよく経験することの多いO脚のパターンについて解説していきます。

 


まず、O脚とは、大腿骨と下腿骨(脛骨)の向きによって、膝が外向きになっている状態のことを言います。

 

 

日本人はO脚の方が多く、外国人の方がX脚が多いと言われています。

 

 

このうち、よく経験するO脚のパターンは、大きく分けて2つあります。

 

 

1つ目は、大腿骨が外にねじれが大きいパターンです。この場合は、大腿骨を内側に戻すための筋肉を鍛えていく必要があります。

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しかし、この大腿骨は、骨盤の受け皿とともに、股関節の動きを担っていますので、股関節の動きが悪くなっていることになります。

 

 

その為、そもそもの土台である骨盤が崩れていることがほとんどです。

 

 

そして、その多くは、骨盤が過度に前傾してしまってケースで、頭が前に出た猫背、反り腰パターンです。

 

 

人の身体は、一部分がねじれを引き起こすと、他の骨も、そのねじれを連鎖的に波及してしまいます。

 

 

そして、そのねじれをどこかの部分で調整してバランスを取り合います。

 

 

先ほどのパターンを紐解きますと、片側の骨盤前傾するねじれを、大腿骨を外に向けるねじれを起こすことで調整を取り合っています。

 

 

そのため、骨盤の位置を戻してあげないと、大腿骨のねじれは直らない可能性が高いです。

 

 

なので、内ももの筋肉を鍛えていても、そもそもの土台が崩れていては、効果的なトレーニングになりません。

 

 

こういうケースは骨盤を後傾させる筋肉のトレーニングを行い、その上で、内転筋を鍛えていくことが有効です。

 

 

2つ目は下腿骨から外側にねじれが強いパターンです。この場合は、下腿骨を内側に戻す筋肉を鍛える必要があります。

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しかし、この場合も下腿骨のつけ根には足首があり、足部の傾きによって骨の向く方向が変わってしまいます。

 

 

なので、土台にある足部を正しい位置に修正しなければ、下腿骨を内側に戻す筋肉をトレーニングしても治らない可能性が高いです。

 

 

足首のことを足関節と呼びますが、この関節は、上下、左右、内外にねじる動きができます。

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この中で知っておいて頂きたいことは、骨の連鎖として、外にねじれると下腿骨は外にたおれてしまいます。

 

 

すなわち、土台が傾いてしまっているということです。

 

 

このケースでは、足部の土台を内向きに戻すための筋肉をトレーニンした上で、下腿骨を内側に戻す筋肉を鍛えると有効です。

 

 

人間は足という小さな骨が集合した上に、下肢、体幹などの体重がかかっているため、足では小さな骨のズレが大きなズレへとつながります。

 

 

またアーチが下がってしまっていて、骨の傾きに影響している場合では、足底板で調整することで姿勢や動きが変わります。

 

 

足部は非常に複雑なため、安易に安価で足底板を購入して使用したりすると、それを機に姿勢が悪くなったり、膝の痛みが出てきてしまう可能性もあります。

 

 

今回は、O脚の中で多いパターンについて解説しました。もちろん程度は人それぞれ異なりますが、思いあたる方も多くないでしょうか?

 

 

O脚を治すためには、骨の土台となる骨盤や足部が大切であり、土台が崩れているままでは、効果的なトレーニングにつながらない可能性が高くなります。

No.11 姿勢の癖は、誰が悪者なのか

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身体の問題は、姿勢からの影響が大きく、何かあれば、姿勢が〇〇になっているから!と、何においても姿勢という問題はよくつきまとう事だと思います。

 

 

でもなぜ負担がかかる姿勢を人はわざわざとっているのでしょうか?

 

 

例えば肩こりになりやすい姿勢であれば、肩こりにならない姿勢をとれば良い話しですが、そう簡単にはいかないですよね?

 

 

姿勢の癖を作りだす原因について考えていきたいと思います。

 

 

私たちの姿勢は、生活習慣を映し出す鏡のようなもので、無意識にしている偏った動きの繰り返しによって、よく使っている部と、使えていない部分ができてきた結果、それをとして起こしたものです。

 

 

もう少し紐解くと、よく使っている筋肉使えていない筋肉があり、その筋肉や関節から脳にその情報が送られて、脳が情報を処理してします。

 

 

その情報を処理した後に、脳から身体にどれぐらいの力を使えば良いか、使わないで良いかなどの指令が出てます。

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よって、姿勢は自分で決めているのではなく、脳が決めているのです。

 


例えて考えると、ミックスジュースのようなものだといえます。

 

 

色々な果物を加えて混ぜた結果、バナナ味のミックスジュースになったり、ピーチ味のミックスジュースになったり、入れたものによって味が変わりますよね?

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姿勢や動きも、あらゆる情報が合わさった結果、できたになります。

 

 

それでは、この形を変えるためにはどのようにすれば良いでしょうか。

 

 

それは、脳に送る情報を変えてあげれば、脳の中で解釈される情報も変わり、出力させる情報も変わることとなります。

 

 

ミックスジュースでいえば、混ぜる果物を変えれば、出来上がるジュースの味が変わります。

 

 

そのため、姿勢を治すためには、身体の中で使えていない部分の情報を脳に送ってあげる必要があります。

 

 

例えば猫背姿勢を治すためには、猫背になる習慣があることで、猫背の情報を脳にたくさん送ってしまっています。

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これでは、どれだけ良いトレーニングをしても生活をしている時間の方が長いため、姿勢は改善していきません。

 

 

また、姿勢は感情の影響を受けやすいため、落ち込んでいたり、悩みを抱えていると猫背になりがちです。

 

 

レーニングでなかなか成果が出にくい方は、生活習慣を見直してみて下さい。

 

 

とは言っても、仕事がデスクワークで難しいケースもありますよね?その場合は、ケアをする時間をとってあげて下さい。

 

 

例えば、猫背姿勢では頭が前に出て、肩甲骨が外側に寄り、背骨が曲がっている姿勢となりますが、その逆をしてあげて欲しいのです。

 

 

あごを引いて、背骨を伸ばして、肩甲骨を寄せる運動を行うように、逆となる情報を脳に送ります。

 

 

簡単な方法としては、上向きに寝転んで膝を立てた状態で、頭の後ろで手を組み、あごを引いて胸を張る体操などがあります。

※あくまで一例です。

 

 

このように正しい情報を送るトレーニンを行うことで、脳の中で解釈される情報も変わ、出力させる情報が変わってきます。 

 

 

まとめとしては、悪い姿勢になっている習慣がある限りは、姿勢はなかなか治ってくれません。

 

 

また日常的に悪い習慣が余儀なくされる場合は、その習慣の逆となる運動を行いケアをしていくことが必要です。

 

 

姿勢を治すためには、身体の使えていないところを使えるようにしていき、脳に足りていない情報を送っていくことが改善していくために必要こととなります。

 

 

すなわち、脳をアップデートしていくことが重要です。

No.10 腰痛に効果的な呼吸運動

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私たち人間は、生命維持をするために呼吸は必要不可欠なものです。しかし、当たり前に行っている呼吸が、実はうまくできていない人が多いのです。

 

 

呼吸がうまくできていない人は、身体のさまざまな問題を抱えてしまいます。

 


ここでは、呼吸の仕組みよりも、呼吸がどのように身体に影響をもたらすのかについて説明します。

 

 

まず、私たちは、呼吸をする手段として、口または鼻から息を吸ったり、吐くことをしています。

 


基本的には、鼻から吸って鼻から吐く、もしくは鼻から吸って口から吐くことが良いとされています。

 

 

それは、鼻から空気を吸うことで加湿した空気を肺の中に入れることができ、ウイルスなどの不純物を取り除くことができると言われています。

 


また、呼吸の仕方としては、一般的に腹式呼吸胸式呼吸があり、これは言葉の通り、腹式呼吸お腹をメインに使う呼吸で、胸式呼吸はを膨らましながら行う呼吸方法です。

 


呼吸を理解する上で大切になるのが、息を吸うとそのまま肺が膨らむ訳ではなく、横隔膜が下に下がることで肺が膨らむ構造となっています。逆に息を吐くときは、横隔膜は元の位置まで戻っていき、肺がしぼむような形となります。

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出典:(http://www.take-off.asia/fukushiki2.html

すなわち正しい呼吸をするためには、横隔膜を上下できる状態を作らないといけません。

 

 

次に、横隔膜をしっかりと働かせるために必要なことについて説明していきます。

 


まず横隔膜とは、膜という名前がついていますが、これは筋肉です。

 


なので、我々が呼吸するためには、常に筋肉を使っています。そのため呼吸も運動として捉える視点が必要です。

 

 

人間は、1日に約2万回の呼吸を行うとされており、私たちは約2万回、呼吸という運動を行っていることになります。

 

 

また、この時に働く横隔膜の働きは、呼吸のためだけではなく、姿勢を支えるためにも重要な役割も担っています。

 

 

人間のお腹には腹腔があり、そこにかかっている圧のことを腹腔内圧と呼びます。一般的には腹圧と呼んだりしますが、これを高めることが体幹の安定性を高めることにつながると言われています。

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出典:(https://www.karadakagaku.com/2018/03/08/腹圧-横隔膜と骨盤底筋肉の関係性/)

腹圧を高めるためには、腹部の天井にある横隔膜が下に下がる必要があり、下側では、骨盤の底にある骨盤底筋群が働く必要があります。

 


すなわち、上から下に押さえる力下側からも上に押し上げる力がかかることで、腹圧を効果的に高めることにつながります。

 

 

次に姿勢と横隔膜の関係性について説明します。

 

横隔膜が正しく働くためには条件があり、それは、肋骨が下がって閉じていることです。

 

 

例えば、反り腰姿勢の場合、肋骨が開いて、上に持ち上がります。そうすると、横隔膜も上がった状態となるため、下げることができにくくなります。

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この状態では呼吸をするたびに腰を反り返る負担をかけてしまいます。

 


そのために、肋骨と骨盤をつなぐ腹筋を働かせて、肋骨を下げて、締める必要があります。

 


その上で、横隔膜がしっかりと下に下がってくることで、お腹の圧は適切に高まってきます。

 

 

さらに、私たち人間のお腹は、円すい上になっているため、腹圧を適切に高めるためには、360°全ての方向にお腹を膨らませられる必要があります。

 

 

先程の反り腰姿勢では、肋骨が開いてしまっているため、お腹の前側は膨らみやすいですが、後ろ側は膨らみにくい状態となります。

 

 

この状態を腹式呼吸と思って行っていたら、逆に腰痛を助長してしまう可能性があります。

 

 

まとめとしては、反り腰姿勢の場合は、肋骨が開いていることで、横隔膜の働きがしずらい状態となり、効果的に腹圧を高めることができません。

 

 

またその状態で、腹式呼吸をしてもあまり効果はなく、腹圧を高めるためには、肋骨を下げて締めるための腹筋を働かせて、横隔膜の位置を正しく戻した上で呼吸運動を行うことが重要となります。

No.9 腰痛と股関節の関係性

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腰痛には、原因が特定できる腰痛が15%で、原因が特定できない腰痛が85%であると以前説明しました(No.8 腰痛を理解するための背骨と骨盤の関係)

 


原因が特定できない腰痛は、腰の筋肉関節に負担がかかってる場合がほとんどです。しかし、慢性的になると脳みその問題も絡んできて、複雑になってきてしまうこともあります。

 


今回は、腰痛と股関節について説明していきます。


股関節とは、大腿骨と骨盤(寛骨臼)でできている関節です。

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以前、骨盤が前傾すると反り腰になると、お伝えしましたが、骨盤が前傾すると、骨盤が大腿骨の方におじぎをする形となりますので、股関節のつけ根が縮まります。

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これを股関節が屈曲すると呼びます。また、少しややこしいですが、もも上げのように、大腿骨を骨盤側に近づけることも屈曲と呼びます。

 


この骨盤が過度に前傾した姿勢(股関節屈曲位)を長くとっていると、つけ根の筋肉が硬くなり、その硬さから骨盤を元の位置に戻すことができづらくなります。

 


よって、股関節の硬さから反り腰姿勢になり、腰の筋肉や関節に負担をかけて腰痛を引き起こす原因となってしまいます。

 


ただしここでポイントになるのは、股関節のつけ根の筋肉が硬くなっているのは、骨盤が前傾してきた結果であるということです。

 


すなわち、骨盤を後傾させる筋肉が弱くなってきていることとなります。

 

 

なので、股関節のつけ根のストレッチなどをして柔らかくしても、骨盤の前傾が強くなってきた結果、硬さが出ている場合は、また硬くなってきてしまいます。

 


このケースは、股関節のつけ根の筋肉を柔らかくした後に、骨盤を正しい位置に戻す筋肉を鍛える必要があります。それは、骨盤の前傾と反対となる後傾する筋肉を鍛えいくこととなります。

 


ポイントとなる筋肉は、腹筋お尻の筋肉や、太ももの内側と裏の筋肉がその役割を担います。

 


レーニングの仕方のポイントとしては、上体起こしのような腹筋運動ではなく、背骨を真っ直ぐに支える腹筋の仕方が重要になります。

 

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またお尻やももの内側や裏を鍛える場合は、レッグカールのような足を主体に動かすものではなく、骨盤を後傾させる運動が大切になります。

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※あくまで一例です。トレーニングには、段階が必要なため、イメージの例としてご覧下さい。

 

 

また股関節を柔らかく動かしていくためには、土台となる骨盤がぐらぐらしていると、骨盤のくぼみにはまっている大腿骨(すなわち股関節)は動いてくれません。

 

 

まとめとしては、反り腰姿勢は、骨盤が前傾してしまっています。そうなると、股関節のつけ根の筋肉が硬くなってしまいます。

 

 

その原因は、骨盤を支える筋肉が弱くなっている可能性が高いと考えられます。

 

 

そのため、股関節の硬さをとっていくためには、つけ根を柔らかくすることだけでなく、その土台となる骨盤を支える筋肉を鍛えていくことが重要になります。

 

 

その際に、従来通りの腹筋運動ではなく、背骨を真っ直ぐに支える運動や、骨盤を後ろに傾ける運動がポイントとなります。