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No.1 肩こりの考え方

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肩こりは、女性で訴える割合が第一位、男性で第二位とされ、有訴率が高い症状です。

 


日常生活で肩まわりの筋肉がよく緊張したり、よく使うことが繰り返された結果、生じている症状となります。

 


大切なことは、なぜ?肩が緊張するのか、なぜ?肩の筋肉をよく使いやすい状態になっているのか?が重要なことになります。

 


実は、肩こりの真の問題は、ほとんどのケースで肩の問題ではありません。

 


「肩こり ストレッチ」とか「肩こり 解消」と、ネット検索すると様々なものが出てきますが、それらは、一時的な症状の緩和にはつながりますが、根本的な問題は変わらないことが多いです。

 


例えば、猫背の姿勢の人が、肩こりを訴えていたとします。その人は、肩こりを改善するために、マッサージを受けたとします。しかし、猫背が治らない限り、また同じことの繰り返しで、肩こりは一向に改善しませんよね?

 

 

例えば、このような報告があります。


青年期の女性の慢性肩こり有訴に影響を及ぼす因子として、上位胸椎前傾角度の増加が、慢性肩こり有訴に影響を及ぼす。(神田ら,2018)

 

肩こり症状の有訴者の特性は、女性が多く、仕事時の姿勢が座位中心で歩かない者の割合が高値で、体幹筋筋肉率が低値であることが認められた。(加藤ら,2019)

 

 

肩こりには、猫背や体幹機能の低下、仕事の内容も影響を及ぼす可能性が考えられますね。

 

 

症状があるところを揉む、ストレッチをすることは気持ちが良いことだと思います。それに委ねたい気持ちはとても分かります。

 

 

ただし、症状を騙し騙しで持たせていると、症状は少しずつ大きくなっていき、その原因の部分も少しずつ悪くなっていきます。

 

 

肩こりを根本的に改善するためには、そこに負担がかかる原因を改善しないとイタチごっこになります。

 


色々なキャッチコピーを使った方法はありますが、1番大切なことは、その原因となる問題は、人それぞれ違うので、自分の身体を知ることであり、方法を知ることではありません。

 


肩こりは、障害を引き起こす前兆かも知れません。身体に何かしらの黄色信号が灯っている。と考えて、原因改善に取り組むことを考えていきましょう。

 

 

◆参考文献

日本運動器疼痛学会誌 2018;10:64–74

日職災医誌,67:87-94,2019