No.7 頚椎症と首の神経、姿勢からの影響
頚椎症とは、首の骨の変形などによって、首の神経根や脊髄が圧迫されて、首や肩、腕の痛みや痺れが生じてくる病気です。
はじめに、首の神経根や脊髄について説明していきたいと思います。
まず、脊髄からですが、背骨の中の空間は、脊柱管と呼ばれており、この部分にある神経を脊髄と言います。
また、首の脊髄からは肩や手に向かう神経が枝分かれしており、それを神経根と言います。
(出典:https://medicalnote.jp/contents/180925-005-QV)
この神経根の圧迫を受ける頚椎性神経根症、脊髄が圧迫を受けると頚椎性脊髄症と言います。
これらは、酷くなると、指先が動かしにくくなったり、感覚が鈍くなったり、場合によっては歩くこともできにくくなってくることもあります。
次に、神経が圧迫を受ける原因について、首の構造から考えていきたいと思います。
まず、首の骨は頚椎と呼び、7つの骨が重なってできています。骨の間には椎間板というクッション材のようなものが間に挟まれています。
(出典:https://www.shibire2.com/用語辞典/か/頚椎-けいつい/)
この椎間板は年齢とともに水分が失われて弾力性がなくなり変性するとされています。
それによって首の骨も少しずつ歪んできてしまい、その結果、首の脊髄や神経根も圧迫をしてしまうと症状がでてきてしまいます。
骨は積み木と同じで、間にある椎間板が変性して、積み木が傾くと、骨も傾くような構造となります。
また、首は姿勢の影響をとても受けやすい部位となります。例えば、猫背姿勢になると、頭が前に出て、首が曲がります。
首の構造の特徴として、この首が前に出た状態では、首の下側と上側の骨の動きが異なります。
下は曲がりますが、上は反り返りが強くなる関係性があります。
構造物への負担としては、首の骨が曲がると、骨の前側が狭まり、前側の椎間板が圧迫を受けます。また、骨の後ろにある神経の通り道はひらきます。
首を反らす時は、逆に骨の後ろ側が圧迫されて、神経の通り道を狭くしてしまいます。
その為、加齢とともに、猫背姿勢になったり、日常生活で悪い姿勢を長くとっていると、椎間板への負担が、変性を助長する恐れがあります。
また、椎間板は、前側が圧迫を受けると、椎間板の髄核という組織が後ろに移動してきます。これが酷くなったものがヘルニアです。
(出典:https://medicalnote.jp/contents/150502-000003-LUILVM)
猫背姿勢の問題は、スマホの長時間の利用や、パソコン作業など、姿勢を悪くしてしまう生活習慣は様々あります。
それに対して、普段から実践したいポイントが2つあります。
それは、座っている時に、骨盤を立てることと、二重顎をつくることです。
背筋を伸ばすことは、比較的意識する方も多いと思いますが、骨盤が後ろに倒れると猫背になりますし、顎が上がってしまうと首に負担がかかります。
骨盤を立てることと、頭の位置を良いところに保つ癖をつけることはとても大切です。
筋肉で言えば、腰骨と骨盤、大腿骨をつなぐ腸腰筋や首の深部頚屈筋と呼ばれる、いわゆる首のインナーマッスルが大切になってきます。
それは、骨盤を立てることと、顎を引くことで効果的に働き、首の負担を減らしてくれます。
また顎を引くことで腹筋が働きやすくなり、腰への負担も軽減してくれます。
運動をする際にも忘れがちな部分になりますので、トレーニングの際にも気をつけていくと良いポイントになります。
何気なくしている姿勢や動きが筋肉だけでなく、首実質のダメージを蓄積させていっていることを普段から意識して、首の障害に気をつけていきましょう。