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No.8 腰痛を理解するための背骨と骨盤の関係

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腰痛とは、病気の名前ではなく、腰部を主とした痛みやはりなどの不快感といった症状の総称です。

 


一般的には、座骨神経痛を代表とする下肢の痛みやしびれを伴う場合も含むとされています。

 

 

このうち腰痛の原因が特定できるものが15%で、原因が特定できない腰痛は85%と言われています。

 


原因が特定できるものを紐解くと、いわゆる椎間板ヘルニアや脊柱管狭窄症など、MRIやレントゲンの所見と症状が一致するものを指します。

 

 

逆に、原因が特定できない腰痛と言うのは、MRIやレントゲンの所見と一致しない腰痛や、構造物には問題がないケースと言えます。

 

 

病気がある腰痛は、整形外科で病状を判断の上、手術が必要か、保存的治療で持たせていくことが可能であるかを判断した後、必要度に応じてリハビリなども含めて治療をしていくことになります。

 

 

原因の判断がつきにくい腰痛に関してが厄介なもので、皆さんは整骨院へ通ったり、マッサージを受けに行ったりしながら持たせている方が多いのではないでしょうか。

 


ここでの腰痛との向き合い方で、その後の身体に影響を及ぼす度合いが変わってくると考えています。

 


整理したいこととして、腰痛があって原因がない(MRIやレントゲンは問題ない)と言うことは、腰痛の原因は、背骨の神経や椎間板などからくる痛みや痺れではないため、それらは除外して考える必要があるということです。

 


それらを除くと、残ってくるのが、筋肉、関節、脳みそが関与している可能性が高くなります。

 


日常生活に大きく支障をきたさない腰痛に関しては、筋肉、関節に負担がかかり生じていることがほとんどです。

 


しかし、慢性的な痛みがあり、日常生活にも支障をきたしている腰痛の場合は、問題が複雑に絡みあっており、身体を良くするだけでは、治りにくいものもあります。

 

ここでは、身体の問題について理解を深めていきたいと思います。

 

まずは、腰骨の構造についてですが、腰骨は腰椎と呼び、腰椎は、5つの骨からできています。また、人の腰椎は、元々少し反り返った形となっています。

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腰骨の後ろには関節があり、それを椎間関節といいいます。


この関節に負担がかかる時というのは、腰を曲げた時は離開(開く)反り返えらせた時は圧迫、捻った時は回旋(捻れ)の負担がかかります。

 

 

腰骨の特徴としては、捻る動きが苦手という点で、約5°程度と言われています。

 


そのため、腰骨と隣接する股関節や胸椎が硬くなると腰に捻る負担がかかりやすくなります。

 

 

次に背骨について説明していきます。


背骨は上から、頚椎、胸椎、腰椎となっており、腰椎は前弯、胸椎後弯、頚椎は前弯S字カーブを描います。

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腰骨は、他の背骨からの影響を受けやすく、例えば、猫背姿勢の場合は、背中が丸くなるとともに腰も丸くなります。逆に腰骨が丸くなれば、胸椎も丸くなる関係性があります。

 

 

そうすると腰には曲がる負担がかかるとともに、腰が曲がらないように支えようと腰の筋肉が働きます。

 


次に、少しややこしくなりますが、よく経験するパターンとして、腰の反り返りが強く、背中は丸くなっているケースです。 

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出典:

(https://news.yahoo.co.jp/articles/8966d0badfb85087c95cf6e1c594ea96570d71a3?page=2)

これは、腰の反り返りが強くなると、上半身の重心が後ろにズレるため、バランスをとるように、背中を丸くして重心を前に移そうと姿勢を支えてしまう結果生じてしまいます。

 

 

そのため、腰には反り返る負担がかかります。また逆に背中が丸くなると腰には反り返る負担が大きくなるとも解釈でき、背中(胸椎)の硬さは腰に反り返る負担を大きくしてしまいます。

 

 

ここでは、背骨がくなると腰も丸くなり、腰には曲がる負担がかかるということと、反り腰、猫背パターンが多く、この場合は、腰に反り返る負担がかかること理解していて欲しいと思います。

 

 

次に、腰骨と骨盤の関係性についてですが、まず、骨盤は前に傾くことを前傾、後ろに傾くことを後傾と言い、この骨盤は腰骨と連動して動く構造になっています。

 

 

例えば、骨盤が前に倒れると腰は反り返り後ろに倒れると腰は丸くなります。

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(出典:https://love-spo.com/sports-lab/sports_selfconditioning021.html)

 

骨盤が前に傾くと、腰に反り返る負担がかかり、後ろに傾くと腰に曲がる負担がかかるということになります。

 

 

ここまでの内容をまとめると、反り腰姿勢の人は、骨盤が前に傾き、反り腰と猫背になる。逆に骨盤が後ろに傾く人は、丸い腰と猫背になる。ということです。

 

 

例えば、このような姿勢がある人がマッサージなどで身体を持たせていると、いずれは身体に限界がきてしまいます。

 

 

マッサージが悪いわけではなく、マッサージだけでは原因治療にならない可能性が高いということです。

 

 

今回は、背骨と骨盤の関係性について説明していきましたが思いあたる人も多いのではないでしょうか?

 

 

根本的な問題解決を第一優先に考え、腰痛を長引かせないようにしていきましょう。