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No.9 腰痛と股関節の関係性

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腰痛には、原因が特定できる腰痛が15%で、原因が特定できない腰痛が85%であると以前説明しました(No.8 腰痛を理解するための背骨と骨盤の関係)

 


原因が特定できない腰痛は、腰の筋肉関節に負担がかかってる場合がほとんどです。しかし、慢性的になると脳みその問題も絡んできて、複雑になってきてしまうこともあります。

 


今回は、腰痛と股関節について説明していきます。


股関節とは、大腿骨と骨盤(寛骨臼)でできている関節です。

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以前、骨盤が前傾すると反り腰になると、お伝えしましたが、骨盤が前傾すると、骨盤が大腿骨の方におじぎをする形となりますので、股関節のつけ根が縮まります。

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これを股関節が屈曲すると呼びます。また、少しややこしいですが、もも上げのように、大腿骨を骨盤側に近づけることも屈曲と呼びます。

 


この骨盤が過度に前傾した姿勢(股関節屈曲位)を長くとっていると、つけ根の筋肉が硬くなり、その硬さから骨盤を元の位置に戻すことができづらくなります。

 


よって、股関節の硬さから反り腰姿勢になり、腰の筋肉や関節に負担をかけて腰痛を引き起こす原因となってしまいます。

 


ただしここでポイントになるのは、股関節のつけ根の筋肉が硬くなっているのは、骨盤が前傾してきた結果であるということです。

 


すなわち、骨盤を後傾させる筋肉が弱くなってきていることとなります。

 

 

なので、股関節のつけ根のストレッチなどをして柔らかくしても、骨盤の前傾が強くなってきた結果、硬さが出ている場合は、また硬くなってきてしまいます。

 


このケースは、股関節のつけ根の筋肉を柔らかくした後に、骨盤を正しい位置に戻す筋肉を鍛える必要があります。それは、骨盤の前傾と反対となる後傾する筋肉を鍛えいくこととなります。

 


ポイントとなる筋肉は、腹筋お尻の筋肉や、太ももの内側と裏の筋肉がその役割を担います。

 


レーニングの仕方のポイントとしては、上体起こしのような腹筋運動ではなく、背骨を真っ直ぐに支える腹筋の仕方が重要になります。

 

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またお尻やももの内側や裏を鍛える場合は、レッグカールのような足を主体に動かすものではなく、骨盤を後傾させる運動が大切になります。

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※あくまで一例です。トレーニングには、段階が必要なため、イメージの例としてご覧下さい。

 

 

また股関節を柔らかく動かしていくためには、土台となる骨盤がぐらぐらしていると、骨盤のくぼみにはまっている大腿骨(すなわち股関節)は動いてくれません。

 

 

まとめとしては、反り腰姿勢は、骨盤が前傾してしまっています。そうなると、股関節のつけ根の筋肉が硬くなってしまいます。

 

 

その原因は、骨盤を支える筋肉が弱くなっている可能性が高いと考えられます。

 

 

そのため、股関節の硬さをとっていくためには、つけ根を柔らかくすることだけでなく、その土台となる骨盤を支える筋肉を鍛えていくことが重要になります。

 

 

その際に、従来通りの腹筋運動ではなく、背骨を真っ直ぐに支える運動や、骨盤を後ろに傾ける運動がポイントとなります。